一般的な眼科疾患
オルソケラトロジー 子供の視力低下
オルソケラトロジーについて
近視の治療方法としてオルソケラトロジーが有効と考えられています。
オルソケラトロジーは特殊なコンタクトレンズを使用します。普通のコンタクトと違って寝ている間にコンタクトを使用します。そして朝起きたらコンタクトを外します。日中は視力が回復しておりメガネやコンタクトレンズなしで授業を受けたり、部活をすることが可能です。
オルソケラトロジーの利点として子供の近視が悪化しにくくなることが分かっています。また治療を止めた場合、角膜の形は元の形に戻ります。この点がレーシックなどの手術との違いです。逆に考えると手術よりも安全な治療法と言えると思います。
通常は高校を卒業するまで続ける例が多いです。
リスクとしては通常のハードコンタクトレンズ装用と同様の合併症があります。また夜間は光がまぶしく感じられる場合があります。
お子様の目を大切にしたいとお考えの方は問い合わせて下さいね。
マイオピン点眼について
マイオピンは子供の近視の悪化を抑える目薬です。大規模な研究で近視の進行を50~60%抑えることが分かっています。寝る前に1回点眼します。副作用はほとんどないとされています。近視の進行が早い方にはオルソケラトロジーとの併用が有効です。
子供の視力低下について
近視の原因には大きく分けて遺伝と環境があげられます。近年、子供の近視が進行する原因は遺伝よりも環境因子のほうが影響が大きいという考えが通説となっています。
つまり、コンピューターやダブレット端末でのゲームや、スマートフォンなどの普及、また受験勉強の低年齢化などで、近くを見続けることが増え、遠くを見る機会が極端に減っていることが影響していると考えられています。
特に近年はコロナウイルス感染が蔓延化しており、子供が自宅で過ごす時間が増え、子供の近視の悪化が社会問題にまでなってきています。
近視予防について
- 読書は、30cm以上離し、正しい姿勢で読みましょう
- 読書・スマホ・ゲームなどは、長時間続けるのではなく、適度な休憩をはさみましょう。
- 可能であれば1日に2時間は外で遊ぶようにしましょう。
- 学校の休み時間は、できるだけ外で遊びましょう。
- 早寝早起き等、規則正しい生活をこころがけましょう。
子供の眼鏡・コンタクトについて
今日では眼鏡屋さんで簡単に視力検査ができるため、「眼鏡を作るのに、わざわざ眼科を受診しなくても……」と考えられている親御様も多くいらっしゃるでしょう。しかし、もしかしたら単純な近視ではなく、何らかの眼の病気が原因で視力が落ちている可能性もあります。
また、精密な検査をしなかったがために間違った度数のレンズを処方されてしまうかもしれません。コンタクトレンズに関しては、⾓膜の状態や涙の量などによっては装用できないこともあります。
プロの目で正しい診察・治療を行うことで視⼒の低下を抑えることが出来るかもしれません。「ひがき眼科クリニック」では、一度眼科で検査をしてから眼鏡やコンタクトレンズを作ることをおすすめしています。
ものもらい
ものもらいとは
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2種類に分けられます。一般的には、麦粒腫のほうをものもらいと呼ぶことが多いようです。麦粒腫はまぶたに細菌が感染して膿が溜まった状態です。
霰粒腫は瞼に脂肪が溜まった状態で、さらに細菌感染を伴う場合は化膿性霰粒腫と呼ばれます。この二つは、見た目はよく似ていますが、症状も原因も異なります。
麦粒腫
主な症状は、まぶたの一部が赤く腫れ痛みやかゆみを伴ったり、白目の充血やまばたきをすると異物感を感じることもあります。まぶたの外側やまつ毛の根本におこったものを外麦粒腫、まぶたの縁にあるマイボーム腺におこったものを内麦粒腫といいます。
麦粒腫の治療
治療法は、症状の程度により異なってきます。軽度の場合は、抗菌薬を含んだ点眼薬を使用します。
やや腫れている場合は、点眼薬だけでなく、抗生物質や抗炎症剤などの内服薬を併用します。膿が溜まり過ぎた場合は、切開により膿を排出しなければならないこともありますので、やはり早めの治療が必要となります。
霰粒腫
まぶたの中にコロコロとしたしこり(腫瘤)ができ、まぶたに触ると、クリクリと動きます。徐々にしこりは大きくなり、まぶたが重苦しいような不快感を覚えますが、痛みはありません。しこりだけの無菌性の霰粒腫ですが、時として細菌感染して炎症を起こして腫れる場合もあります(化膿性霰粒腫)。
霰粒腫の治療
ドライアイ
ドライアイとは
涙の量が少なくなったり、成分が変化する事により眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じる病気です。涙は大きく分けて下記2つあります。
- 常時目の表面を覆っている基礎的な涙
- 刺激によって流れ出る反射性の涙
このうち、基礎的な涙が減るとドライアイになります。
ドライアイの症状
- 目が乾く・ゴロゴロする
⽬の表⾯の⽔分や油が不足しています。 - 物が見えにくい
目の表面を覆う水分の膜が破綻すると視力が低下します。
症状
目が刺激を受けやすい状態になり、反射性の涙がでます。
主な原因は、涙の成分である油分・水分・ムチンの減少です。
治療
点眼治療(人工涙液・ヒアルロン酸・ムチン分泌促進・自己血清)、涙点プラグ(涙点閉鎖)、マイボーム腺機能不全の治療などがあります。
涙点プラグ挿⼊術
涙が排出される涙点にシリコン製のプラグ(栓)を挿入し、涙の排出を軽減します。